見るからに銀

その昔ARC-Ⅴというアニメありけり

遊戯王ARC-Ⅴっていうスタイリッシュ洗脳アニメ

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誰も止める人間は居なかったのか、それとも止められる人間が居なかったのか、はたまた製作陣は心底面白いと思っていたのか。
逆にこんなアニメもう余程の事がない限り観れませんぜ。



2017年3月26日、約3年148話をもって遊戯王シリーズ5作目「遊戯王ARC-Ⅴ」が完結いたしました。
長かった。本当に長かった。3年前って言うと当時入学したての中学生や高校生は今頃卒業式を終え、ニンテンドーWi-Fiがサービス終了してない頃だし、WIXOSSがスタートして僕は遊戯をやめてそっちに移住したし、プリキュアはあのハピネスチャージが放送中だったし、Gレコが始まった年だし、たまゆら卒業写真は公開もしてない頃ですよ。
何でこんなアニメに3年も付き合っていたんだろうか。



・ストーリー
普通なら数年使うアニメは章立てして1章終わったら新たな敵が!とか続く訳ですが、ARC-Ⅴは珍しく3年使って1つの謎に迫るといったスタンス。
それが正しかったかって言われたら確実にノーなんですよ、素直に章立てすれば確実にこんな事にはならなかった。

まず話の比率がおかしい。序章14話・舞網チャンピオンシップ編39話・シンクロ次元編46話・エクシーズ次元編12話・融合次元編(最終章)28+1話。そしておまけの8話。このエクシーズ次元編の短さとシンクロ次元編の長さである。
しかも最終章も謎勝鬨とか海賊とかとても良かった8.8%・6.1%と伝説に名を刻んだサバイバルデュエルで数話無駄に使ってるという。この数値も融合次元編終わればシャーマンキングの中盤登場キャラばりにしょっぱい数値になるってんだから驚きだよ。
というかズァーク戦全てが無駄。最初から零羅とレイを憑依合体させて赤馬兄弟で墓地肥やししてれば瞬殺だった。



とにかくダレすぎた。製作陣からすれば積んで積んで積んでラストにドーン!を狙ったのかも知れませんが、その積む行為が最終章から急に始めるんだから感慨深いものがない。
しかもこれで60話くらい遠回りしまくるってんだから爽快感0。謎は増えまくるけど解決した事や判明した事も0、只々デュエルして話は進まないなんて事はザラ。視聴者からはいつまでこれが続くのか?という印象を抱かざるを得ない。

そして明らかにおかしい速度でズァークさんを葬った後に始まる総集編と1話完結次元旅行。いやおかしいでしょその展開。何でそこから8話も変な話展開するんだよ。
内容も内容でvsデニスとかvs黒咲とか完全にやるタイミングを過ごし切ったデュエルとかまさかの監督ご贔屓ジャック降臨とかした挙句に、ラスト1話半でライバルと思われるポジションの赤馬とのラストデュエル。他作品のキャラより優先順位が低いライバルキャラとか聞いた事ないわ。



頻繁に差別とか戦争とか出てたけどアレ何だったんだろうか。結局どれも活かす事が出来ず笑顔洗脳ぶっぱで解決してるし。
戦争で親しい人を亡くしたとか貧しい生まれとかならまだ分かるけど遊矢は別に誰かを亡くしてないし、貧しくもない。兎に角これらに対して説得力がない。
というかそういうアニメ作りたいなら100%「遊戯王」である必要性がない。歴代作品で物事の解決にデュエルをやってたのはデュエルをせざるを得ない設定を作ってたからであって、明確にデュエル以外での攻撃方法と解決方法が見えてるARC-Ⅴでデュエルする必要無いんですよ。それこそズァークリスペクトしてリアルソリッドビジョンで殺戮したりすれば良いわけで。



そして最終回で遊矢だけがユート・ユーゴ・ユーリを吸収して残り、復活したのは同じく瑠璃・リン・セレナと統合した柚子の2人。本当にそれで良かったのだろうか。
しかもその前辺りにハゲがそれぞれの人生をめちゃくちゃにして済まぬって言ってたけど、それを踏まえた上で2人だけ生きる権利を得るってどうなの?自分の親友と妹を失った黒咲が不憫で仕方がない。
極めつけに俺たちの戦いはこれからだエンドだし。3年の集大成が打ち切りエンドって…

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・歴代作品要素
GXからエド・フェニックスと天上院明日香、5D'sからジャック・アトラスとクロウ・ホーガン、ZEXALから天城カイトの合計5人が登場、舞台としてデュエルアカデミアとネオドミノシティとハートランドが出た訳ですが、ストレートに言って何故出したとしか言えない。しかもキャラは取り敢えず少しだけ出てオシマイならまだしも謎改変を喰らいファンに真っ向から喧嘩を売るという暴挙まで成し遂げてるんだからもう笑い事にならない。

エドはカード引き裂き復讐鬼5D'sガイコンセプト行方不明D-HERO使いに。
明日香はデュエルに負けたら殺人オッケー遊勝専用おっぱいの付いた松葉杖に。
ジャックは監督超贔屓常時ストレス過多高難度課題押し付け言いっ放しキングに。
クロウはコモンズの絆☆教手の平ドリルガイ自爆野郎に。
カイトはまぁうん…こっちの方なら僕は好きになれそうだし結構優遇されてた方だけど挙げるとしたら音速改心脈路なしケリつけワンパ2倍マンに。

これ確実に歴代キャラ呼んだ意味無いんですよ。全く同じ立ち位置で全く同じデッキを使うARC-Ⅴのキャラで良かったんです。というか本来そうするべき。
前にも何度も言いましたが歴代キャラ出すなら遊戯王にはうってつけの「タッグフォース」って存在があるんですよ。そこでやれば良いじゃないっすか…
別に歴代作品の続編でもなくて且つあくまで「遊戯王ARC-Ⅴ」という1作品なんですから遊矢達で完結させるのが普通なんじゃないかなぁ。



というか露骨。 優遇と不遇の比率が露骨。
デュエルアカデミアは原型を留めておらず快楽殺人者の巣窟になってるし、クロノス先生が使った「古代の機械」はコピペ集団が使うコピペテーマに早変わり。作品や十代の象徴である超融合は何のイベントもなく訳分からんキャラに連発され超越融合なんか出されるし、エドや明日香が異常なまでに冷遇されてる。
ハートランドは特に理由なくめっためたに滅ぼされハンティングゲーム会場に。現地人は第5次元ARC-Ⅴ創造のための生贄にされる。しかも世界がリセットされても相変わらず滅びたまま。ズァークさんにめっためたにされたアカデミアより被害がヤバい。
これに対し5D'sは世界観やシティと言った要素は原作初期そのまま。デュエルパレスに大穴空いたくらいで被害も受けず、ジャックはキングとして遊矢と零羅を導いた(つもりになってる)キャラ。おまけに最終話近くでランサーズと1mmも関係ないのに1話半丸々使ってデュエルするし。でもキチガイ率はブッチ切り。誇り高きシンクロ召喚(笑)

ほんと露骨なんだよな…後半容赦無く歴代キャラを罵倒し葬って行く中ジャックだけが勝利し、ズァークさんにも褒めてつかわされ、謎赤き龍や祭壇ガイとかダイダロスブリッジとか遊星vsアンチノミーのデュエルレーンとか5D's要素を隠そうともしない。自分の作品大好きなのは分かるけど監督としてそれはどうなのよ?

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・デュエル
皆さんご存知の乱入・中断・省略・複数人対1の4強。この要因があるためメインキャラ達の実力がサッパリ分からない。
一応作中ではスタンダード・シンクロ次元のチャンプやアカデミアの総司令官殿や赤馬を倒してプロになっている遊矢だが、バレットやキャプテン・ソロ、BBといったゲストキャラ相手に乱入無しなら手も足も出ず敗北が確定しており、捕縛部隊とかオベリスクフォースにも負けかけている。
作中かなりの勝利回数を誇る赤馬も勝ち回数の大半が省略大量ワンキル、準メインキャラの素良はなんと勝ったデュエル全てが省略と複数人であり、漢権現坂に至ってはAパート前に敗北というレジェンドを打ち立てている。勝利回数0の沢渡と月影なんかもいる。

明らかに省略中断しちゃいけないデュエルは省略するのに、複数人デュエルは全く省略しない謎。じゃあ省略しなかったら何すんのよって言ったらワンキル。
基本的に相手全員が出すモンスター同じで伏せ無し。何だその3人合わせて6枚以上余る手札は飾りか。合わせて最終戦争でも発動するのか。
オベリスクフォースもといコピペフォースさん達とかほぼ全てが同じモンスターを立て効果ダメージを与えて伏せ無しエンドだからな。これはセキュリティにも言えるんだけどさ…

他にも無断墓地共有バトルロイヤルとか1vs1vs途中から約10人とか自分で自分のデュエルに負けてから乱入とやりたい放題。そして129話で「衝撃の拘束剣」というデュエルの流れを無視して問答無用で中断し、相手を拘束する最強カードが爆誕。
ズァークさん戦ではエドっぽい人&素良のタッグ以外全てプレミとルールミスが発生する異常事態。しかもこれまた無断で墓地共有してたっぽい。

これらを全て踏まえてARC-Ⅴデュエルランキングを作ると
1位:レイ(ズァークさんを事故デッキ使って1人で葬る
2位:リン(勝率10割勝ち逃げ
3位:ズァークさん(オリカマスター
4位:BB(とてもつよい
5位:遊矢(微妙

になる。あくまで主観。



これに加えてデュエル軽視が深刻さを加速させる。回によっては「モンスターが出てるのにデュエルしてる光景がない」・「デュエル宣言した筈なのにカードが1秒も映らない」・「10話に渡って行われたデュエルで何一つ解決してない」という珍現象が発生する事も。
モンスターに乗って移動してる光景よく見るけどその程度なんだよな…しかもその設定も急に消えたり現れたりするし。

というかこの作品においてデュエルって何なんだろうか?多分舞台装置とかその後の展開に繋ぐための小道具程度にしか思われてないと思う。そうでもないとデュエル以外での解決方法なんて作らないし。

歴代作品ならデュエルする流れも暴力が飛び交い、己の拳で戦闘不能にさせる事もしばしば。
そしてARC-Ⅴ最強兵器とも言えるカード化ビーム。このビーム初期はデュエルに負けた相手をカードに封印するアカデミアの兵器だった訳だが、後半からはデュエル無関係に当てた相手をカード化するエクシーズ次元出身最強兵器と化し、もはやデュエルしなくて良いのでは?の領域に突入。
これにより先ほどのデュエルランキングが「デュエルする前・最中に物理攻撃で倒せばいい」という結論で無に帰し、物理攻撃・またはデュエル以外の解決法だけでランキングを組むと

1位:スタンガン装備セレナ
2位:生命の危機に瀕する瓦礫を発生させる混沌巨人
3位:カード化光線
4位:衝撃の拘束剣
5位:ズァークさん

となる。これも主観。これバトルアニメだったっけ?

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・アクションデュエル
これ最初に考え付いた奴普段どういう生活してるんだろうな。特性ものひろいなんだろうか。
ARC-Ⅴ始まる前から結構話題のタネになり、始まっても議論が絶えなかった(批判8割くらいの比率)けどまさかシンクロ次元編からアクションデュエルからものひろいデュエルになるとは思わなんだ。
最初期の頃はバリエーション豊かなフィールドでモンスターと力を合わせて手に入れたりとか不確定要素が絡んだりアクショントラップという存在そのものが消滅したデメリットカードがあったりと、後半と比べたら遥かにマシなアクションデュエルやってたんですよ。

何でシンクロ次元編からアクションフィールドは板の浮く空間になって相手モンスターの攻撃時に急に走り出してその状況を100%切り抜けられるアクションカードを拾うゲームになってんだよおかしいだろ。
それが極まり、エクシーズ次元編からはそれまでも頻繁に姿を見た
攻撃を無効にする「回避」
破壊を無効にする「奇跡」
効果ダメージを無効にする「加速」
の「3K」ブッ放しデュエルとなり、回によっては奇跡と回避が2枚登場して3回発動する事も。どんだけ罠伏せるの面倒なんだよ。



何がダメってひたすらにダサい。決め台詞流したりデュエルに対してなんか語ったすぐ後にアクションカード手に入れようと走り始めるのがひたすらダサい。
いやっていうかデッキが信じられないの?漢権現坂も言ってるけど百害あって一利なしなんだよこれ。笑顔どうこうは置いといて普通勝ちたいからデッキを組むのにそのデッキよりアクションカードを信用するっておかしいでしょ。
まぁカードに対する信頼がめちゃめちゃ薄いアニメなんだけどな。なんつったってエースモンスターは飼い犬だし。

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・エンタメデュエル
結局エンタメデュエルって何だったんだろうか。まだ最初の頃は頑張ってた気がする。
やたらっていうかこの単語が出ない回の方が珍しいくらいエンタメデュエルって言い続けて、遊矢も沢渡もエンタメデュエルを信条にしてたが、エンタメ要素って何なんだろう。

エンタメデュエルって聞いて僕が想像するのは凄いコンボを披露したり、突破の難しい布陣をあっと言わせる戦法で突破したり、互いに凄まじいカードの応酬の末逆転勝利したりとかそういうのをイメージするんだが、本作品におけるエンタメっちゅーんはエフェクトの派手さで勝負するデュエルである。
勝ち確煽りしてから戦術もクソもなくデカいモンスター立てて攻撃ぶち込んでエフェクト炸裂させて花火上げればその時点でエンタメデュエルなのだ。それやっとけば皆笑顔になるからな、エンタメ洗脳は半端じゃねぇぜ!ケロロも夏祭り回で花火になんか混ぜて侵略しようとしてたからな、花火は万能なんだよ。
あとスマイルワールド使っとけば更なる効果も期待できるかもね。そう言えば捨ててしまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!からスマワ全く出てないけど何処へ行ったんだろうか。

というか本作品においてエンタメデュエルの開祖と言われている脚痛いおっさん榊遊勝を見てるとエンタメデュエル=煽り芸という図式が正しいんだろうな。
でもこのおっさんは普通にエンタメデュエルしてるデニスに対して「見た目の派手さだけ」って批判してるからこの作品におけるエンタメデュエルは見た目勝負じゃないんだろうけど逆に内容で魅せた回っていつだよ、遊矢vs沢渡くらいしか記憶にないぞ…

というかエンタメって何よ。わざわざ意識して「エンタメデュエルです!」って言わんでも見てて楽しいデュエルが展開されればもうその時点でエンタメデュエルなんだって。本気でデュエルして本気でぶつかり合ってガッチャ!ってやるのとエンタメデュエルどう違うのよ。
デュエルで笑顔ってデュエルした結果笑顔になるんじゃなくてデュエルの過程に笑顔が発生する意味も分からんし。

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・キャラ
謎。この一言。
本作品においてキャラの人格構成や他キャラとの交流は基本的に「視聴者の見えない空間」で「起こった事になってる」から、本編リスペクトして文字通り別次元でARC-Ⅴ観てる人にしか分からない事になっているんですよ。

例として挙げると「ランサーズは仲間じゃない」「俺以外全てが敵」と発言した黒咲は強制労働施設にブチ込まれて2話後にはランサーズの面々と協力して脱出、遊矢を含むメンバーを下の名前で呼ぶほどの関係になり、その10話後くらいには5分に渡って回想を交えながら仲間の大切さを語るキャラになってたり

敵として君臨し、最悪な形で遊矢をランサーズに迎え入れ、肝心のリーダーっぽい行いは特にせず約30話に渡り立ちっぱなしで交流もなかった赤馬は、128〜9話にして突如常識人に覚醒し遊矢に対して「私は信じている」と語る仲に。何だお前何があったんだよそこに至るのに。

他にも既にあった設定が全く関係ない設定になり無理矢理話を終わらせる便利マシーンになった零羅とか、明らかに敵側のキャラだったのに設定を錬成され勝手に改心し味方に付いた素良とか、特にイベントなく裏切ったのに急にランサーズ時代を懐かしんで自殺したデニスとか、突如常識人になったセレナとか、全く関わりもなかったクロウがカード化されて涙を流す沢渡とかひたすらに謎。それがほぼ全ての登場人物に適用されるってんだから最早毎週が違うアニメ。

というか全体的にすっげー雑なんだよね、ランサーズっていう「組織」に「異世界人」と「スパイ」に「ライバル的ポジション」が居て、半数近くが「主人公達と繋がりがない・薄い」のに開幕シンクロ次元編でやった事が「全メンバーの隔離」なんだもん。おかしいと思わんかったのかね?
というか遊矢4人・柚子4人それぞれが最終章まで全く面識のないキャラがいるっていう事態。最終話2話手前の136話でついに遊矢とユーゴが会話したけど、ここでもユーリが味方になっているっていう謎現象発生してるし。別次元に生きる同じ顔とは何だったのか。

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ほんと何だったんだろうこのアニメ。何がやりたいのかも何を表現したかったのかもキャラをどうしたかったのかも不明。でも楽しかったんだよな、アニメの内容じゃなくて関係者とかチョコボールとかそういう方面で楽しんだけど。ああこれが「でも楽しかっただろ?」ってヤツか…
結局のところ僕も遊戯王ARC-Ⅴという作品に対してほんの僅かな期待を抱き続けていたのかも知れません。そうじゃなきゃこんなの3年も観ないし。観たところであんまりメリットなかったけど。銀のエンゼルなら3枚当たりましたが。



話は変わりますが何故か1月開けて5月から第6作目「遊戯王VRAINS」が放送開始します。懲りない僕は是が終わった時のように「次回作こそ面白いだろ」という期待をしてしまっているので恐らく見ると思います。この判断が正しいものである事と、3年間観てて書いてて楽しい遊戯王である事を望むばかりです。
内容は兎も角3年間本当にお疲れ様でした。次なんか再放送でもやる時はGXが放送される事を願います。